◎2025年11月06日 ---- ボス ◎
- 流されるままに生きるということ
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若い頃は欲しいものがたくさんあった。どうしても欲しい、というものがあった。それを手に入れるためにがむしゃらに頑張ることができた。◆歳を取った。欲しいものが少なくなった。無理に手に入れなくてもいいよな、と諦められるようになった。◆諦めることが常となり、私の人生はつまらないものになりつつある。分かってはいるのだが抗えない。抗おうとも思わなくなった。そもそも私は基本、流されるままに生きてきた。流される方向へ、一所懸命に生きてきた。◆歳を取り、潮目も変わった。これまでと比較すればつまらない寂しい人生も受け入れようと思っている。
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◎2025年11月04日 ---- ボス ◎
- 演歌
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娘が幼稚園に通っていたころの話。日曜の夕方、私はテレビを観ながら自宅でのんびり子供たちと夕食を楽しんでいた。そのテレビでは美空ひばりが歌っていた。「パパぁ? これって演歌?」と幼い娘が聞いてきた。幼い我が子の質問に私は嬉しくなった。「そうだよ。よく分かったねえ。演歌だよ」と答えてさらに娘に聞いた。「みゅうちゃん、みゅうちゃんは演歌好き?」私が尋ねると瞬時にかわいい娘が返答した。「だいっ嫌い!」◆私はふき出した。「そうか、みゅうちゃんは演歌は大嫌いなんだ」と言いながら娘の頭を撫でた。音楽のジャンルで好き嫌いがあることは悪いことでは無い。演歌は大嫌いという娘に音楽的な才能を感じ、アップライトピアノを買ってあげた。娘は中学に入り吹奏楽部でクラリネットを吹いていた。100人もの部員をまとめる部長さんとして頑張っていたが音楽的にはそこまでだった。◆昨日、ラジオから美空ひばりさんの声が聞こえてきて、ふとあの楽しい会話を思い出した。「だいっきらい!」と言った娘も今、母親になり子育てに奮闘している。時がたつは速い。
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◎2025年10月31日 ---- ボス ◎
- おきざりにした悲しみは
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昨日この欄で紹介した『おきざりにした悲しみは』(原田宗典)に次のような文がある◆「情熱。それは今の自分に一番足りないものだ。情熱さえあれば、何だってできる。情熱さえあれば、どこへでも行ける。そうは思うのだが、今の自分の胸の中はうつろで、何も燃やすものがない。」◆このように嘆く主人公は65歳。「もうオレはオジサンではなくオジイサンなのだ」とも嘆く。68歳の私は頷きながら読んでいた。少し寂しい。
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◎2025年10月30日 ---- ボス ◎
- 『おきざりにした悲しみは』
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「キノシタさん原田宗典の『おきざりにした悲しみは』はきっと大好きだと思います。是非、読んでみてください」と九州に住む先輩からlineで勧められたのは今年の初めだった。すぐに本屋へ行ったが置いてなかった。有楽町、広尾、目黒、銀座と大きな本屋を回ったが置いてなかった。◆この週末、秋田の秘湯、泥湯温泉へ向かった。秋田新幹線で大曲まで。そこから在来線で湯沢へ。湯沢駅からは乗り合いタクシーだ。宿へ向かう乗り合いタクシーが迎えに来るまでに約1時間ほどあった。だが湯沢は住宅地に熊が出没し若い男性が襲われて亡くなる事件があったばかり。私が行った前日に熊は捕まったのだが、その事件のせいなのか駅前もひっそりとして歩いている人は少ない。◆私は初めての街を歩くのが好きだ。熊が気にはなったが「♫知ーらない街を歩いてみたーい、どーこか遠くへ行ーきたーい・・」と口ずさみながら一人湯沢の街を散歩。するとこの町には不釣り合いなくらい大きな書店があった。入ってみた。なんと東京の書店には置いてなかった『おきざりにした悲しみは』(原田宗典)があった。もちろんすぐに購入した。◆今度は吉田拓郎の名曲『おきざりにした悲しみは』を小さな声で歌いながら湯沢の駅へ戻った。「♫生き-て-ゆくのは ああ みっともないさー あいつが死んだときも おいらは飲んだくれてたー」◆テレビも映らない山奥の温泉旅館で読了した。
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