2015年12月の記事一覧

2015年12月03日 ---- ボス

チカンを捕まえる(2回目)

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先日(11月18日)のこの欄で、15年ほど前に痴漢を捕まえたことを書いた。その後、私は再度、痴漢を捕まえることになった。◆あの女性として魅力のない、失礼で下品な女に痴漢行為をはたらいた情けない中年男を捕まえてから半年も経っていない頃の話だ。その日も私はいつものように海浜幕張駅から超満員電車に乗り、新木場駅で掃き出されるように電車から降りた。改札に向かう階段を下りはじめたとき「チカンです、チカンです、この人チカンなんです!誰か捕まえて!」と女性のわめき声が聞こえた。声は聞こえるが、どこに居るのかは見えない。新木場駅で電車を乗り換える大勢の人波の中、私は声のする方を気にしながら階段を下りた。当時、階段を下り切ったところにトイレがあった。そのトイレの前で四十過ぎの長いスカートをはいた女性(オバサン)が男のショルダーバッグのヒモを引っ張りながら助けを求めている。「誰か、捕まえてぇー!」 だが出勤を急ぐ人たちは誰も彼女を助けようとはしない。冷たいものだ。私は躊躇した。前回の痴漢を捕まえたときのことを思い出した。あのときは「ありがとう」の一言も言ってもらえなかった。躊躇していたらそのオバサンと目があってしまった。「この人チカンです。捕まえて!」彼女は私にターゲットを定め、頼んできた◆前回の痴漢被害の女性と同様、私から見たら、女性としての魅力の全くないオバサンだった。だが結局、私はそのオバサンの加勢をし痴漢男を捕まえた。男は学生風、キレイな顔立ちをしていた。細身だが、身長も私よりも高く、決してモテないタイプではなかった。当時まだ「イケメン」という言葉はなかったが、私の気持ちは「なんでキミのようなイケメン君が、こんなオバサンに痴漢行為をしちゃうの?オレには到底理解できないんだけど・・・?」というようなものだった。◆私が手伝って観念したのか男は逃げようとするのを止めた。男がおとなしくなると、オバサンがその男に向かってわめき出した。その言葉に私はびっくりした。「あんた、トイレに逃げようとしたでしょ!トイレで手を洗って証拠を消そうとしたんでしょ!」・・間違いなくオバサンはそう言った。最初はなんのことか分からなかった。「手を洗って証拠を消す」・・・どういうこと? 男は手に何も持っていない。そこに洗ったら消える証拠があるという。◆えっ、それってすごいことを言ってるんじゃない?・・私は気付いた。えっ、そんなことをこんな大勢の前で言っていいの?私の疑問は続く。オバサンは足首くらいまでの長いスカートを穿いていた。「えっ?この長いスカートをめくりあげて手に証拠が残るようなことしてたの?」私の疑問はさらに膨らんだ。◆学生風のイケメン痴漢は、とっくりセーターを着ていた。私はその首のあたりを持ち、ヤツを駅員室まで連れて行った。私に捕まれ、諦めたようにおとなしく歩き始めたが、途中でヤツが立ち止まって私の方を向いた。そして強い口調でこう言った。「ここを持たないでください。セーターが伸びるじゃないですか!」私はヤツをぶん殴りたくなったが我慢した。セーターから手を離しヤツのベルトを握って駅員室に向かった。◆駅員室に二人を入れて「痴漢です」と言って私は立ち去った。今回も、結局、オバサンは私に一度も礼を言わなかった。その痴漢ともオバサンともその日以降会うことはなかった。◆そして、それから3か月後、私はまたしても痴漢確保に遭遇することになったのだった。そのことに関してはまた次回。

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2015年12月02日 ---- ボス

マイナンバー制度(その2)

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マイナンバー制度は、個人情報漏えいの危険性が高く、憲法が保障するプライバシー権を侵害するとして、弁護士のグループが、国を相手にマイナンバーの利用停止などを求める訴訟を、全国5地裁で一斉に起こしたという。◆私には彼らの行動が不思議でならない。わざわざ国を相手に訴訟を起こすほど、彼らには守らなければならないどんなプライバシーがあるのだろうか?いや、私は「プライバシーは保護されなくてもいい」と言っているわけではない。プライバシーは極力侵害されてはならない。そのための万全な準備はしてもらわなければならぬ。だが、悪いヤツはどこにでもいる。完璧にプライバシーが保護されるのは難しいのかもしれない。そうならないために今後、罰則の強化などが早急に議論されて欲しい。◆私が分からないのは、国を相手に訴訟を起こすのには相当なパワーがいる。そうまでして守りたいプライバシーとは何なのだろうか、ということ。マイナンバーには裸の写真は載らないし高校時代に付き合っていた異性の名前も載らない。整形前と後の比較顔写真も載らない。性器の大きさもこれまでに寝た異性の数も載らない。あなたが現在、不倫をしているとしてもそれが出ることもない。せいぜい「どの程度の資産家なのか」のデータくらいが人に知られたくない情報だろう。◆会社の帰りにソープランドでアルバイトをしていたとしたら収入源がばれる可能性はある。それが嫌なら年内にソープランドでのバイトを辞めることだ。国を相手に訴訟を起こすよりもよほど健全だと思う。◆30年くらい前だったろうか、新宿の歌舞伎町に防犯カメラが設置されることが決まった。そのとたんにやはり「プライバシーが侵害される」とモーレツに反対しデモを起こした集団がいた。「あなたが奥さんに知られたくないプライバシー」と「犯罪の検挙率を高め、犯罪が起きなくなるメリット」を量りにかけてみましょうよ、と私は言いたかった。◆なにをやるにも「反対、反対」と言って目立ちたがる人たちがいる。

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2015年12月01日 ---- ボス

春画展

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知人にチケットをもらったので、銀座の永井画廊で催されている「春画展」に行ってきた。月曜日の昼飯どき、「こんな時間に春画を見に来るのはオレだけかもな」と思いながらうつむき加減で入った。ところが館内は意外とにぎわっていた。安心した。◆若い女性が春画に顔を近づけ細部を見、熱心に解説文を読んでいた。彼女と目があった。恥ずかしくなった。夫婦と思われる中年カップルが「すごいわね」などと小さな声でお互いの感想を言い合っていた。来場者は若い男性よりも若い女性の方がはるかに多かった。なぜだ?◆多分、この程度の絵ではエロビデオを見慣れた若い男性には刺激が足らないのだろう。想像力に乏しい脳みそには、もっとダイレクトに情報が届くエロサイトの方が刺激になる。一方、中年夫婦や若い女性にはきっとそれなりの刺激があるのだろう。だがそこは「エッチに興味があって・・」などと本音を言う必要はない。「美術の勉強をしていて・・・」とか「北斎に興味があって・・」とか「日本の芸術が・・・」とかいくらでも理由付けができる。若い女性や中年の夫婦は堂々と入って、堂々と堪能できる。(これはあくまで私の個人的な推測であり、実際には皆さんはスケベな気持ちはないのかもしれない)◆私だってこの欄を「知人にチケットをもらったので・・・」と書き始めた。たまたまチケットをもらったので行ったのであって、スケベ心から行ったのではないのですよ、とウソをつく準備から書き始めてしまった。いや、チケットをもらったのは本当のことなのだが、見に行ったのは「チケットをもらったから」ではなく「昔の人々のスケベに興味があったから」。つまりは俗っぽい動機である。それでいいんじゃないの?◆春画展をじっくり堪能し、解説文を読み、思った。江戸の昔から、男も女も、みんなみんな根はスケベなのだ、と。オレだけがスケベじゃないんだ、と安心した。「人間っていいな」とつくづく思った。私は「人間」が大好き。◆今でいうエロ小説の挿絵として描かれた春画が多い。展示物には、江戸時代のエロ小説の現代語訳も記されていた。それらを読んでみて驚いたことがある。どうやら江戸時代はセックスのことを「ぼぼ」と言ったようだ。なに?「ぼぼ」って言うのは九州地方特有の言葉ではなかったのか。まーたまた一つオリコウになっちゃった。◆今日は、いつもの堅い気取ったスカイアゴラではなく、ほんの少しホンネを書いた。

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2025年04月10日 ボスの
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  • 午前新規事業計画・人事考査
  • 午後事業計画
  • 夕方銀座某所で密談
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