2013年11月13日 ---- ボス

手袋

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小学校2年生のクリスマスを最後にクリスマスプレゼントが無くなった。サンタさんから最後のプレゼントをもらった10日後、交通事故で父を失くした。3年生、4年生のクリスマスは辛かった。同級生がプレゼントを見せ合うのに、その輪に入られなかった。その辛さを誰にも話したことはなかったがもちろん母や祖父母は寂しそうな私に気付いていただろう。小学校5年生のクリスマス、見かねた叔父が「プレゼント」と言って持ってきてくれたのが手袋だった。大分県佐伯市といってもやはり冬は寒い。半ズボンには耐えても手袋は欠かせない。嬉しかった。◆その手袋は薄革製の高級品。ぴったりと手になじみ拳(こぶし)にすると指の付け根の骨の隆起がキレイに出る。暖かくはなかったが上品だった。モノを見て「かっこいい」と思ったのはこの時が最初かもしれない。◆クラスの友人たちは毛糸の手袋が主流だった。革製の手袋を持っている者も数人いたが彼らは皆その暖かさを競っていた。裏地のついたゴワゴワとした分厚い革製だった。「オレの方があったけーぞ(暖かいぞ)!」などと言って自慢していた。私は決して口に出すことはなかったが「オレの手袋の方がかっこいいぞ」と思っていた。◆幸運に恵まれ貧乏ではなくなったが最近は安物のウールの手袋をしている。今年は久しぶりに薄革製のかっこいい手袋を購入しようと思っている。今朝、この冬はじめてコートを着た。コートを着ながらそんなことを考えていた。

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2025年07月09日 ボスの
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