‘ボス’ の記事一覧

2020年01月27日 ---- ボス

「哀愁」

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1966年に公開されたクロード・ルルーシュ監督の映画『男と女』。その53年後を描く続編が同じキャストでまもなく封切られる。続編には『男と女 人生最良の日々』との邦題が付いている。私はもちろん劇場に足を運び続編を観るつもりであるが既に本編を忘れている。家のどこかにDVDがあったはずだと探したがDVDラックに見つからなかった。すぐにamazonで注文をした。◆『男と女』の代わりにまだビニールシートを剥がしていない『哀愁』がラックの中に見つかった。こちらは1940年公開のアメリカ映画。ビビアン・リーが主演。◆テレビの「ロードショー」で観たことがあるはず、と思っていたが内容は記憶がなかった。ビニルシートを切りDVDをデッキに挿入した。古き良きラブロマンス。とても面白かった。ビビアン・リーはやはり美しかった。エンディングロールまでゆっくり眺めた◆『Waterloo Bridge』と画面に出たときに高校時代の化学のK先生を思い出した。K先生は家族の数名を戦争で亡くされており米英嫌いであった。今なら「とんでもない教師」とのレッテルを貼られ教育委員会から厳重に注意されるであろう発言を繰り返していたが我々生徒たちはみなK先生が大好きだった。K先生は欧米人のことを「毛唐(けとう)」と呼んで見下していた。「のお、キノシタ。ソ連ちゅうのはズルい国やのう。いつか仕返ししちゃらんといけんのう。オマエ頑張ってソ連をやっつけいよ」などと言っていた。◆K先生は大変なロマンチストでもあった。欧米を嫌ってはいるものの欧米の映画にも詳しかった。「毛唐はやっぱりアホなんよのう。あんなベッピン使ってあんな切ない映画を作っといて、ほいでその映画の題が『ワーテルロー橋』っちゅうんぞ。なんとロマンのねえ題名を付けたことかのう」と真剣な顔をして化学の授業中に映画談義。「その点、わが日本人ちゅうのはロマンチックやのう。あの映画に『哀愁』っちゅう邦題を付けたんぞ。あの切ない映画にピッタリの題名よ」と言った。「ワーテルロー橋」「ワーテルロー・ブリッジ」・・毛唐はセンスないよのう。◆名画をDVDで観て、切ない気持ちになって、そして我が佐伯鶴城高校時代の恩師、カッパ先生というあだ名のK先生を懐かしく思い出した。

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2020年01月24日 ---- ボス

大騒ぎするほどのヤジか?

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国会で国民民主党の玉木代表が「交際女性から『(今の制度では)姓を変えないといけないから結婚できない』と言われた」と相談されたとのエピソードを話していた。夫婦同姓を強制される今の制度を見直すべきとの意見だ。そこに女性議員から「だったら結婚しなくていい!」とヤジが飛んだ。殆どの議員はそのヤジに気付かなかったが意見を述べていた玉木代表が上手に、ことさらに深刻そうに「だったら結婚しなくてもいい」とヤジが飛んだことを拾ってこれを問題視した。◆例によってテレビのコメンテーターたちはステレオタイプにこのヤジを貶す。「こんなヤジを飛ばす議員、とんでもない」「少子化が深刻なのに全然分かっちゃいない」コメンテーターたちは玉木代表の応援団ばかり。◆果たしてそうか?そんな大事件か?私には理解できない。女性に「姓を変えるの嫌だ。それならば結婚できない」と言われたときに「(そんな理由で結婚できないというのか?)だったら結婚しなくていい」と答える男は多いだろう。それはそれで一つの考えだ。「そうですか。僕はどうしてもあなたと結婚したい。結婚できないのは姓の問題ですね。なんとかならないか」という者ももちろんいるだろう。どちらにも言い分はあろう。私個人的には「だったら結婚しなくていい」と言える男の方に魅力を感じる。◆少なくとも女性議員の小さなヤジ問題をことさら大きく取り扱い、結果的に「夫婦別姓を認めることが少子化対策に繋がる」というようなミスリードをバカなコメンテーターたちがしているこの国のテレビ報道に呆れている。◆「この程度のヤジ、大げさに取り上げることの方がおかしいよ」と誰か一人、テレビで言わないかな、と思いながら今朝も情けない報道を眺めていた。

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2020年01月23日 ---- ボス

今どき15000円でウグイス嬢を雇えるのか?

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河井克行前法務大臣とその妻河井あんり参議院議員が選挙期間中のウグイス嬢に対し、法律で定められた金額以上を支払ったとする問題が連日ニュースで取り上げられている。公職選挙法で定められた報酬日額は1万5千円以内でありそれを超えて超過勤務手当を払ったとなれば、運動員買収にあたり、公職選挙法違反となるという。◆例によってテレビのコメンテーターは「とんでもない話だ!」「なぜきちんと説明しない?」と両議員を罵っている。私は彼ら議員を擁護する気は全くない。それは全くないのだが常識的な感覚を持たない正義ヅラしたマスコミに腹が立つ◆ウグイス嬢の報酬の「日額1万5千円」というのが改訂されずいつから続いているのか知らないが、今どき1万5千円であの大変な仕事を受けるまともなウグイス嬢がいるとは思えない。すべての国会議員に聞いてみたらいい「あなたのウグイス嬢は1万5千円以下でしたか?」と。すべての国会議員は口を濁すだろう。あるいは「秘書にはそのように命じています」と答えるのか◆「今どき1万5千円なんておかしい。みんな、なんらかの方法でやってんじゃないの?」ってなぜコメンテーターは言えない? そのことの方が私には異様に感じる。

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2020年01月22日 ---- ボス

「お伺いする」じゃなくて「伺う」!

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この欄でこれまで何度か触れたが私は「お伺いする」という言葉を聞くとがっかりする。だが実際には私の回りのほとんどの者が「伺う」という謙譲語を「お伺いする」という訳の分からない使い方をしている。隣のビルにある我が社の分室から内線が入る。部下が「あのう、これから押印をもらいにお伺いしてもいいですか?」と聞いてくる。「はい、どうぞ。お待ちします」と私は答えるがなぜ当社社員まで社長に対して「お伺いしてもいいですか?」と聞いて来る?「押印をいただきに伺ってもいいですか」と言えない?◆いつもそう思っていた。ところが先日あるお客様と電話で話をしていて「はい、それでは来週の月曜日にお伺い・・」と言ってしまった。そこまで言ったら「伺います」と訂正できない。私はとうとう「お伺いいたします」と言ってしまった。◆注意していても回りが使っていると、下品な言葉遣いは伝染ってしまうようだ。気を付けよう。

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2020年01月18日 ---- ボス

猫が羨ましかった日々

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40年前の今頃、私は連日、大学の研究室に泊まり込みで実験を続けていた。偶然にも今のヘリポートの仕事に繋がることになるのだが、実験は「繰り返し荷重をかけると物質がどう変化するか」と言うものだった。◆試験装置が10秒に1回、供試体に大きな力をかける。5分後、10分後、30分後、1時間後、2時間後、5時間後、10時間後・・の変化を測定する。材料を作り、時間おきに変化を測定し、グラフを書き、粒子の形状をスケッチする。同時にいくつもの供試体に圧力をかける。◆長くても1時間程度の仮眠しか取れない状況で実験は一月以上続いた。ビデオもパソコンもワープロもない時代。体力勝負しかなかった。おまけに研究室は九州大学で最も古い建物ですきま風どころか窓ガラスが何枚か割れていた。当時の福岡は寒かった。とてもとても寒かった。◆私は仮眠を取るために研究室に電気毛布を持ち込んでいた。そして一匹の野良猫を飼っていた。メス猫で「チサ」と名前をつけていた。寒く、眠たく、泣きそうな思いで実験を続け、資料を整理する私の横で、チサはいつも電気毛布の上でスヤスヤと眠っていた。チサのことがすごく羨ましかった。「大きくなったら猫になりたい」、不精髭を伸ばし一週間も風呂に入っていない私はそんなことを言っていた。◆今日から大学入試センター試験だという。テレビでそのニュースを観ながら40年前の寒い研究室を思い出した。受験生、頑張れ!◆そしてできれば人生で一度くらい「猫が羨ましい」と思うような経験をして欲しい。

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2020年01月17日 ---- ボス

アタマの悪い「移転元地」の活用

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東日本大震災で津波にあった岩手・宮城・福島の東北三県は、将来再び同等の津波に襲われることを想定し、海岸から一定の距離へは住むことを諦めてもらい、内陸の高台への集団移転事業を進めている。この「海に近く、住めなくなった地域」を「移転元地」と呼んでいる。私はこれまで何度もこの「移転元地」を訪れ、その都度悲しい気持ちになった。◆人が住めなくなった「移転元地」をどのように利用したら良いのか?地元の市町村には知恵がない。自分たちでは思いつかないので高いカネを払ってコンサルタントにお願いする。コンサルタント会社はそもそも経営や経理をコンサルする会社。「人が住めなくなったところをどう利用したらいい?」なんて問いに答えられるヤツはいなかった。◆果たして、整地が終わった広陵な東北3県の太平洋沿岸には「太陽光発電パネル」が並び「平和祈念公園」ができ「パークゴルフ場」ができた。その3つが繰り返し建設されている。なんともみっともない◆私が「それならヘリコプターの訓練場を作ってください」とお願いしても「パークゴルフを楽しむ方々にはヘリの音はうるさく感じますね」などと言ってくる。◆少しはまともなコンサルなり首長なりはいないものか?こちらは心から東北の復興を願っているのだが情熱もなく、「めんどくさい」と思う役人ばかりが東北で働いているように感じる。それじゃダメでしょ! 頑張れよ、東北! 一緒に頑張りましょうよ、東北。 ◆「太陽光発電」と「パークゴルフ」と「平和記念公園」の繰り返しは「脳がなくて恥ずかしい」と思いましょうよ、東北。

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2020年01月16日 ---- ボス

身体障碍

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正月二日、早朝スタートのゴルフ。スパイクの底に氷がびっしりと張り付いていた。その状態でラフの下り坂、足が滑った。左足がいびつに曲がり激痛が走った。「担架を持って来て!」とキャディが叫んでいる。「いや、大丈夫だ。そんなにひどくない」と言いながら私はなんとか立ち上がった。「骨は折れていないな」との確信はあった。◆翌日、慈恵医大で診てもらった。「膝と足首の捻挫ですね」と若い医師。「しばらくは安静にしているように」とのことだった。◆素直に医師の言葉に従わない私は痛みが少し引いた十二日の日曜日に足を引きずりながらラウンドした。翌日から見事に(?)痛みが増した。こんどこそ極力安静にしていよう、と反省中。◆歩くことはなんとかなるのだが階段がキツイ。上るよりも下る方がキツイ。ところが「上りエスカレーター」はあるが「下りエスカレーター」がない施設が意外と多い。日比谷線の銀座駅は構内改修中で下りエスカレーターが動いていない。銀座の山野楽器はもともと上りエスカレーターしか設置されていない(エレベータはある)。目黒のニトリも下りエレベーターがない。◆自分が傷つき不自由になって初めて気づくことがある。自分の油断から怪我を招いた。その怪我が「優しい気持ち」をもたらしてくれた。もっとみんなに親切にしよう。

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2020年01月15日 ---- ボス

悲観的に考える

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スポーツキャスターでテニスプレイヤーの松岡修造さんが予備校で受験生応援イベントを開催し講演した。「僕は悲観的な考えしかない。アスリートみんなそうですよ。『でも、勝ちたい』って思うでしょう。ネガティブなところからポジティブが生まれる」そう松岡さんは受験生に語ったそうだ。私は嬉しかった。私もまず悲観的な考え方を優先してきたから。私の考え方を世界的な名選手から「それでいいんです」と肯定された思いだった。◆ときどき「なぜそういう風に悲観的に物事を考えるのかなあ?幼いころ苦労したことが影響しているんでしょうね」などと近しいヤツに言われることがある。言われると腹が立つ。自分の幼い時の苦労と今の考え方が繋がっていない、とは言えないかもしれないが腹が立つ。まるで悲観的な考え方は間違っているような言い方。大体そういうことを言う者こそ経営にしても人間関係にしても恋愛にしても失敗しているように私には思える。◆経営においても人間関係においても健康や恋愛に関しても「まずは悲観的に考える」ことは楽しいことではないかもしれないが結果的に人様に迷惑をかけず「良い方向に向かう」と私は最近確信した。

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2020年01月14日 ---- ボス

駅のホームから売店が消えた

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私が東京に来た頃(1982年)には少し大きな駅のホームには必ず売店があった。山手線の渋谷駅のホームには「コージーコーナー」の売店がありとても美味しい「ジャンボシュークリーム」が100円で売ってあった。日比谷線銀座駅にも小さな売店があり私は「夕刊フジ」をよく買っていた。気付くとそれらが無くなっていた。地下鉄銀座駅は改札を入ると自動販売機以外は何も売っていない。ホームでモノを売っているのは秋葉原駅と新幹線だけになった。なんでだろう。寂しいな。◆そういえば昔は駅のホームには「駅弁売り」がいた。いつ頃いなくなったのだろう。懐かしいな。
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2020年01月10日 ---- ボス

最悪の何末年始

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少なくともこの15年では最悪の年末年始であった。仕事・体調・プライベートそれぞれで多くの不調と不安を抱えそれらすべてが解決できないまま年が暮れた。せめて三ケ日だけでも明るく過ごそう、とゴルフに行ったら大怪我をした。◆昨日(9日・木曜)で大方のイヤなことは出そろった。昨日、奥歯を抜いた。足は少しずつ良くなっている。プライベートな問題も何とか出口が見えて来た。◆今が大底。おみくじで「大凶」を引いたときのように、「これ以上は落ちようがない。ここからは上るしかないよ」と前向きに考えよう。◆やっと最悪の年始が終わろうとしている。
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2025年11月13日 ボスの
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  • 午前Vポート研究
  • 午後人事考査
  • 夕方銀座を徘徊
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