‘ボス’ の記事一覧
◎2020年02月17日 ---- ボス ◎
- 胎児の病気
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いま可愛い甥っ子夫婦が苦しんでいる。長男を授かったのだが胎児の心臓に欠陥があることが判明した。産まれたらすぐに手術が行われることになっていた。2週間前に産まれた。予定通りすぐに手術が行われた。大人になるまでに何度手術を繰り返すことになるのか分からない、と言う。いや、いつまで生きられるかすら分からないという。2週間経った。母親はまだ赤ちゃんを抱いていない。ずっと保育器の中だ。体には何本ものチューブが刺さったままだ。◆昨夜連絡があった。赤ちゃんの血圧が下がり始めたので再度手術することになった、という。数時間で手術は終わったが「この2.3日が山」と医者に言われたという。その山を越えたら大丈夫かというとそんなことは全くない。ずっとずっと不安な日が続く。◆ここからが問題。絶対に彼ら夫婦には言えないが私は「少し前なら見つけられなかった病気。少し前なら赤ちゃんはとっくに亡くなっていた」と思い、「産まれたばかりの子に無理に手術を繰り返して一家で辛いだけの人生を送るよりは、もう自然に任せてあげたいなあ」と思う。鬼畜のような発言になるのかもしれないが「諦めるのも一つの考え」のような気がする◆そんなことを家人に言うと猛烈に叱られた。「母親は自分のお腹を痛めた子、どんなに苦しくても絶対に死なせるなんてできないわよ!バカなこと言わないで!」◆家人が怒ることは理解できる。私の発言が「優しい人間の大人」の感覚ではないことも認める。それでもやはり「難しい問題だね」としか言えなかった。◆◆◆ここまでの文を書いた翌日、赤ちゃんは息を引き取った。亡くなって初めて体中に刺されていたチューブが外された。もちろん両親は号泣。私が会ったときには赤ちゃんはキレイな顔をしていた。眠っているようだった。可愛かった。可愛そう。寂しい。◆そして私は涙を流しながらも「みんな頑張ったんだ。しようがなかったんだ。これでいいんだ」と思っていた。... 続きを読む
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◎2020年02月14日 ---- ボス ◎
- なぜ怒らないの?
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当社がウィルスに効果があるマスクを発明した。ある医療機関に「試してみてください」とお願いした。先方は「ウチはマスクは十分あるよ。要らないよ」と断られた。それでも営業マンは「いえ、これまでのモノとは違うんです。試してみてください」とお願いした。「分かったよ。じゃあ何枚か置いていってよ」と言うので営業マンは50枚渡した。1週間後、当社の営業マン3人が再び訪問した。「どうですか?良かったでしょ?」と聞いたら「まだマスクとしては使ってないよ。使い捨ての雑巾として30枚使ったけどね」と言われた。3人の営業マンは落胆して帰ってきた。◆実は「マスク」ではないのだが、ある商品でそのようなことがあった。報告を受けた私は怒った。「なぜキミらはそこで怒らないのか?腹が立たないのか?」。お人好しの、当社の営業マンたちが3人で行って誰も怒らないことに私は腹を立てた。... 続きを読む
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◎2020年02月14日 ---- ボス ◎
- ローソンでバイトするカンボジアの少女
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新橋の会社の近くのローソンで昨日、カップヌードルとチーズケーキを買おうとレジに並んだ。店員は若いカンボジアの女性だった。Edyで払おうとしたら優しそうな笑顔で「残高不足ですよ」と言われた。「2万円チャージお願いします」と言うとその女性は手際よく処理してくれた。若い女性が母国を離れ、知らない土地で懸命に日本語を勉強しながらローソンのレジをこなす。高い給料ではないだろう。彼女は何年後かに母国に戻り、日本での勉強と苦労を元に大きく飛躍することだろう。そう願う。頑張れ!◆ローソンを出てすぐ、角を曲がると「レンタルルーム」がある。いかがわしい商売に使われていることは間違いない。一人女性が出てきたと思ったら入れ違いに別の女性が入っていった。どちらも明らかに日本人だ◆ローソンで健気に働くカンボジア女性、昼間からカラダを売ってカネを稼ぐ日本人女性。同年齢くらいの3人を見て私は複雑な気持ちになった。日本の将来は暗い。... 続きを読む
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◎2020年02月13日 ---- ボス ◎
- ボケ
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お世話になった方の葬儀会場で、先輩Yさんと会った。「お久しぶりです。お変わりありませんね?」私が話しかけた。Yさんは少し暗い顔をしていた。「いや、検査で脳に異常が見つかってね・・。また来週精密検査なんだよ。今のところ特に自覚症状なんてないんだけどな」と言った。「そうですか、お気を付けて。でも心配ないと思いますよ」私は明るく励ました◆ひと月ほど経ったころYさんから電話があった。「○○さんが亡くなったんだって? なんでオレに知らせてくれなかったの?」と言う。怒っている。「いえいえYさん、一緒に線香あげたじゃないですか」私が言うとYさんは慌てて「そうだ、そうだったな」と。Yさんの脳の病は確実に進行しているようで悲しかった。◆昨日、ある業界の飲み会があった。もう25年も続く楽しい会だ。出席者は20名。各人が近況報告した。全員の報告が終わり歓談が再開した。だがTさんだけが近況報告していなかった。私はTさんに聞いた。「Tさん、近況報告されましたっけ?」Tさんは「ええ、話しましたよ」私が「そうでしたっけ?どんな話でしたか?」。するとTさんが不思議そうな顔して「マンションのエレベータの話ですよ」。私はドキッとした。「そうだ! マンションのエレベーターの話をしていた。そして私はその時にTさんに質問したんだった。『費用はどれくらいかかるの?』と」・・私の脳もボケ始めている。そろそろ準備を始めなければならない。... 続きを読む
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◎2020年02月12日 ---- ボス ◎
- 「だったら結婚しなくていい!」発言の続き
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週刊文春の林真理子さんのエッセイ『夜更けのなわとび』で、国会のヤジ「だったら結婚しなくていい!」が取り上げられていた。やっとまともな意見をマスコミで発言する人に出会えて嬉しくなった。ここにコピーする◆「国民民主党の玉木雄一郎代表が、国会で二十代の男性から相談を受けたとし、『交際中の女性から姓を変えないといけないから結婚できないと言われたそうだ』と発言した。このとき私はとっさに、『ホンマかいな?』と思った。本当にその男が好きだったら、そんな理由でプロポーズを断らないだろう。単にその男が嫌いだったんじゃないの? そのとき『だったら結婚しなければいい』というヤジがとんだという。私は快哉を叫んだわけではないが、そうツッコミたくなる気持ちもわかった。そうしたらそのヤジの本人を野党が追及し、すごいことになっている。野党の女性議員たちが謝罪と撤回を促すよう申し入れて、『時代に逆行したこうした暴言は許されない』みたいな内容があった。・・・(中略)・・・『時代に逆行』なんて乱暴な言葉は使うべきではないと思う。自分と異なる意見は時代遅れと言うのは傲慢である。・・・(中略)・・・みんなどうして、他人のことにいきりたつのか。いろんな人がいて、いろんなことをしている、という考えにいきつかないのか」◆ごもっとも、ごもっとも。... 続きを読む
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◎2020年02月12日 ---- ボス ◎
- 同窓会の回覧電話
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1年間に15回は「同窓会のお誘い」が届く。同学年だけのもあれば卒業生全員が対象の同窓会もある。留年をしていると同級生は多い。60歳を過ぎたらお誘いはさらに増えた。◆同窓会に出ていると必ず「あいつ今どうしているかな?」という話題が出る。そして、その「あいつ」を知っているヤツが「あいつ元気にしているよ。電話してみようか」などと言ってスマホを出す。私は「いいよ、いいよ」と言うがおかまいなし。「あいつもみんなの声聞きたいと思うよ」とか言いながら電話する。◆「おー○○、今、同窓会しよるんよ。みんながオマエの声聞きたいって」とか言いながらスマホを回す。ほんとに親しかったヤツ、ほんとに話したかったヤツにとっては楽しい会話になるかもしれないがそうでないヤツは迷惑。電話が回ってきたらなにか話さなければならない。◆昨日夕方、福岡の友人から電話があった。「あっ、キノシタくん? 今、鶴城の福岡同窓会があってるんよ。みんなが『キノシタ君はどうしてるんかなあ』って言いよるけん替わるね」と。それから何人かに電話が回された。向こうは酒が入っている。こちらは自宅で素面。特に親しかったわけでもないヤツといきなり電話で語るのは双方ともに辛い。『福岡で成功している』と言われるヤツは饒舌。そうでないヤツは短い会話。◆同窓会の場でスマホを回覧するのは私は苦手だ。だがなかなか「止めようよ」とも「止めてよ」とも言いづらい。... 続きを読む
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◎2020年02月10日 ---- ボス ◎
- 美術評論
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新聞の文芸評論に「私もまったくそう思っていました」と言いたくなる文を見つけた。藤田一人さんと言う美術ジャーナリストが書かれたその文を転載する。『・・・昨今の美術評論家は作品を目の当たりにした一鑑賞者としての率直な感想やそこから膨らむイメージよりも、作家の問題意識や歴史的背景といった客観的視点に囚われ過ぎではないか。そして、美術鑑賞自体が教養主義的になっていないか・・・』◆「美術館に行きたい!」「この絵が好き!」との感動を持って美術を楽しみたい。結果、それは教養になる。昨今は順序が逆になっている人が多い。つまり自分は本当は「好き」とも思っていなく「感動」もないのに、多くの評論家が評価したり或いはオークションで高値が付いた絵を見たら「すごい!感動した」などと言う輩だ。◆言い換えると「自分の感性」を大切にせず、「あの人の感性」「評論家の感性」と同じフリをする人が多くなったと感じる。◆「バスキアの絵、どこが良いのかオレにはまったく理解できない」と私ははっきり言う。「キノシタさん、あの絵の良さが分からないっていうのは美的なセンスがないんですよね」と美術評論家には言われそうだ。美術評論家に言われるのならまだいい。しったかぶりする「にわか美術好き」に言われそうな時代になってきた。... 続きを読む
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◎2020年02月07日 ---- ボス ◎
- 熱いオトコ。「日本」をそして「みんな」を先に考えるオトコ。
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結局オトコの魅力は「熱い」か「熱くない」かで決まるようだ。そして「熱い」の原動力は「これは、みんなのためになる!」との確信なのだと思う◆先日、仙台で熱いオトコの講演を聞いた。仙台に本社を置くゼネコンF組のF社長。彼とは妙な縁で30年近い付き合いになる。私より6歳年下。彼は私を「先輩!」と持ち上げてくれる◆全く逆。私はずっと彼から刺激を受けながら頑張ってきた。とても私は敵わない◆「自分の生活の安定のため」公務員を目指すものが多い。「金儲けのため」あるいは「名誉のため」政治家になる輩も多い。クソ面白くもない、鼻持ちならない奴らだ。私はそんな公務員や政治家を軽蔑しながら生きて来た(「国民のため」と頑張ってくれている公務員や政治家はもちろん尊敬している)◆F社長は違う。いろんな人がいることを肯定し、いろんな人に助けてもらい、いろんな人と一緒に楽しみ仕事をする。彼の自慢話に感動した。「私は毎晩、国分町で飲んでいます。私はここ30年間、一度も人を貶したりグチを言いながら飲んだことはありません」と言うのだ。確かにF社長の口から人の悪口を聞いたことがない。◆いろんな人を肯定し、みんなに応援してもらいながらF組は着実に大きくなった。熱い、立派なF社長に引っ張られながらF組は仙台でみんなから応援される大きなゼネコンになった。私はまたF社長から大きなことを教えてもらった。... 続きを読む
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◎2020年02月06日 ---- ボス ◎
- 超オススメ 映画「男と女 ・・」
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足が痛くゴルフに行けないので土日は映画ばかり観に行っている。私と同世代の方々に超オススメの映画を紹介したい。クロード・ルルーシュ監督作品「男と女 人生最良の日々」◆1966年に公開された「男と女」はフランシス・レイのあの甘く切ないメロディーであまりにも有名。「♬ ンーンーン ダバダバダ ダバダバダ ンーンーンダバダバダ ダバダバダ・・」のスキャットを聞くと海岸のシーンを思い出す。私は上映時は小学校の低学年。もちろん映画館では観ていない。中学生か高校生の頃、テレビの「金曜ロードショー」で観た。大人の世界の話、よく分からなかった。大人になりDVDで観た。やはり大した感動はなかった◆1966年の「男と女」の主演の男女がそのまま、同じ二人が50年以上経った後に出合うのが2020年「男と女 人生最良の日々」。実は映画そのものの評価はあまり高くない。週刊文春の5人の評者も高得点は入れていない。多分、彼らにはこの映画の良さは分からない◆まずtsutayaに走って1966年「男と女」を借りて自宅で観ていただきたい。観るのは夜でないとダメ。結構かったるいと感じるかもしれない。でも音楽は最高。映像もキレイ。そしてその翌日、劇場に足を運び現在上映中の「男と女 人生最良の日々」を大スクリーンで観る。昨夜のDVDを思い出しながら大スクリーンの映像を観る。必ず泣けます。溜まりません。超オススメです。「感動しなかったら料金返します」と言いたいくらいだ◆この映画はそうやって観るものです。評論家には分からない。さすがクロード・ルルーシュ。... 続きを読む
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◎2020年02月05日 ---- ボス ◎
- 膨らむ借金
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昨年、国内で生まれた日本人の子どもの数が86万4千人だった。統計開始以来、初めて90万人を割り込んだ。これは厚労省の予想よりも2年早いペース。我が国の人口はこれから毎年100万人ずつ減り続け40年後には8千万人なるという。たった40年間で人口が現在の2/3になるのである。◆一方、わが国の借金は昨年とうとう1100兆円を超えた。まだまだ増え続けることは明らか。◆仮に国の借金が現状維持できると仮定しても国民一人当たりの借金は増え続けることになる。テレビに出る経済評論家はなぜだかここを言わない。人口が2/3になり借金の総額が減じないのであれば、国民一人当たりの借金は3/2、つまり1.5倍になる。そろそろ「国民一人当たりの借金」という言葉で語られるべき問題ではないだろうか?
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